GWも1人で引きこもり。

投稿者: | 2025年4月28日

ゴールデンウィーク――
世間では「旅行だ」「帰省だ」「イベントだ」と浮かれている。
そんなニュースやSNSを横目に、僕は静かに家に引きこもることを選んだ。
いや、選んだというより、気がついたらそうしていた、という方が正しいかもしれない。

カレンダー通りに休みをもらった僕は、連休前から何となく「今年のGWはどうしようかな」と考えていた。
でも、特に予定はない。友達もそれぞれ家庭があったり、恋人と出かけたり。
気軽に誘える相手もいない。
誘う勇気も、正直なかった。

初日。
誰にも会わず、朝遅く起きて、適当にコンビニで買ったサンドイッチと缶コーヒーでブランチ。
テレビをつけても、YouTubeを開いても、「GW特集」「混雑予想」「オススメスポット」のオンパレード。
そんなの、僕には関係ない。
早々にテレビを消し、布団に逆戻りした。

昼寝をして、目が覚めたら夕方。
特にお腹も空かず、またスマホをいじってダラダラする。
TikTokやインスタを見れば、他人の充実した日常が次々と流れてくる。
「BBQ最高!」「旅行なう!」
そんな投稿にいいねを押す気にもならず、画面をスワイプし続けた。

ふと、孤独感が胸に広がった。
誰かと比べたくないのに、勝手に比べてしまう。
「俺、なにやってるんだろう」
そんな言葉が、頭の中でぐるぐる回る。

2日目。
やっぱり予定はない。
外に出れば混雑しているだろうし、わざわざストレスを感じに行く気にもなれなかった。
食料を買いにだけ近所のスーパーへ行き、またすぐ帰宅。
買ったのはカップ麺、冷凍パスタ、インスタント味噌汁、チョコレート、ビール。
なんだか、災害時の備蓄みたいなラインナップだった。

家に戻ると、ソファに沈み込み、テレビもつけず、ただぼーっと天井を眺めた。
時間の感覚がどんどん曖昧になっていく。
時計の針の音だけが、やたら耳に響く。

GW3日目。
朝から雨だった。
そのせいか、外の喧騒も少し静かに感じる。
ベランダに出て、しとしと降る雨を眺めた。
肌寒い風に吹かれながら、何となく、昔のことを思い出していた。
小学生の頃、家族で出かけた旅行。
友達と夜通し遊んだ大学時代。
「あの頃は、楽しかったな」
でも、もう戻れない。

ひとしきり感傷に浸ったあと、急に思い立って、掃除を始めた。
普段放置していた押し入れを開け、いらない書類や古い服を捨てた。
少しずつ、部屋がすっきりしていく。
「こんなことでも、ちょっと気分変わるな」
小さな達成感を味わいながら、またビールを開けた。

4日目。
そろそろ連休も折り返し。
本を読もうか、映画を観ようかと思ったが、どれも集中できない。
何か始めても、すぐスマホに手が伸びる。
結局、動画をだらだら見て、ベッドに寝転んで、時間だけが過ぎていった。
こうしている間にも、GWを全力で楽しんでいる人たちはたくさんいるのだろう。
その事実が、心のどこかでチクリと刺さった。

5日目。
もはや曜日感覚もない。
朝か昼かもわからないタイミングで目が覚めた。
ふと、「このままじゃまずいかも」と思った。
別に、誰かに迷惑をかけているわけじゃない。
でも、自分で自分が嫌になりそうだった。

意を決して、シャワーを浴び、着替え、外に出た。
近所のカフェでコーヒーを飲みながら、ノートを広げた。
「やりたいこと」「行きたい場所」「会いたい人」
思いつくままに書き出してみた。
まだ何も形にはなっていないけれど、書くことで、少しだけ前向きな気持ちになれた。

最終日。
GW最終日は、思いきって電車に乗った。
特に目的地も決めずに、ただ適当に降りた駅で、散歩した。
新緑がまぶしく、知らない街並みを歩くと、少しだけ旅気分になった。
たった数時間の外出だったけど、引きこもっていた自分にとっては、大冒険だった。

こうして、僕のGWは終わった。
華やかな思い出も、大きなイベントもない。
だけど、静かに自分と向き合った数日間だった。

来年のGWは、少しだけでも、もう一歩外に出られたらいいなと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です